コースケ君元ルームメイト・アキコです。現在静岡の田舎に在住。ハドルには年1〜2回くらい出没します。
近年、海外といえばインド/カルカッタしか行っていなかったので、たまにはどこかヨーロッパ的なとこ行きたいな!と思って、グルジア(ジョージア)へ行ってきました。
日本ではまだマイナーな国ですが、行ってみると外国人ツーリストわんさか。
ロシア人 → 近い!暖かい!ロシア語通じる!
イスラエル人 → Airで2時間。気軽に行ける国(周辺がアラブ諸国なお国柄…)
西/東欧諸国 → 高い山があってお財布に優しい!(トレッキング客に人気)
ハラルフード屋も普通にあり、イランやアラブからの観光客もちらほらと。
というわけで、近年、インバウンドはグルジアにおける重要な産業となっているようで、
今回私が足を運んだトリビシ市街や山岳地方はどこも、観光客で賑わってました。
都市部の町並みは(一応)ヨーロッパ的、山の景色は壮大。
物価や”ゆるさ”加減はよくも悪くもアジア的(旧ソ連的かも?)。
ざっくりまとめると、ヨーロッパのタイ、もしくはネパール、ってなところでしょうか。
・独自の言語と歴史あり
・フレンドリーな国民性
・宗教的タブーが少ない
・治安がよい
・物価が比較的安い
・自然が美しい(山ありビーチリゾートあり)
・ご飯が美味しい
・お酒飲める&安い!
総合的に見て居心地のよい国でした。
中東っぽい文化も混ざっているところがまた乙です。
トルコ国境にも近い西側にはムスリムが多数派の地域もあるそう。
ググルると、トラベラーによるグルジア絶賛のブログがいくつもヒットしますが、なるほど、という感じ。
一方で日本語のガイドブックというものはほぼないようなので基本情報も詳しく記しておきます。
〈グルジアという国の概要〉
長いので歴史とか興味ないよ!って方はスキップして下さい。
★地理・民族・言語
旧ソビエト連邦。黒海沿岸、ロシアとトルコの間にある小国で、
北に大コーカサス山脈/南に小コーカサス山脈が横たわっており、山がちな国です。
国土は北海道よりやや小さく、人口は四国くらい(400万人弱)。
地域としては、西アジアもしくはヨーロッパの一部とされています。
緯度的にはイタリアと同じくらいで、グルジアの黒海沿岸は旧ソ連内で唯一、お茶とみかん(柑橘類)が栽培できる地域だったそうです。ソ連の静岡だったんですね(笑)
(日本における)有名人には、力士・栃ノ心や黒海がいます。
また、ソビエト連邦第2代最高指導者のスターリンはグルジア人です。
言語はグルジア語。インド・ヨーロッパ語族でもトゥルク語系でもないので、周辺のロシアやトルコ、ウクライナとは全く違う言語系統です。
wikipediaから拝借した言語マップを見ると、カスピ海と黒海に挟まれ、ロシア・(オスマン)トルコ・ペルシャ(イラン)という旧帝国に囲まれたコーカサス地方は、山の多い地域で、民族と言語が入り乱れています。
平地は帝国の支配がおよびやすいので、山岳地域に(比較的)少数民族/文化圏がパッチワーク状に存在するというのは大陸の宿命なのかなーと思います。
日本(本州)は極東の離島、という地政学的理由で、山がちな地形にもかかわらず、そういったパッチワークが存在しない珍しい地域なのかもしれません。
★文化・歴史
今回行くまで、私自身もグルジアについてほぼ何もしりませんでしたが、独自の文化と長い歴史をもつ国です。
キリスト教を国教としたのが2世紀。西欧の基になったローマ帝国よりも早いです。
文字の導入も日本より早く聖書を翻訳するために4世紀ごろ、グルジア文字が作られた、というのが現在の有力説のようです。
ケミカルのポスター、全く読めません(笑)
というわけで、グルジア人の文化形成は古いのですが、東ローマ帝国やペルシャ、アラブ、モンゴル、オスマントルコなど周辺国からいれかわりたちかわり侵略を受け続けた後(端折り過ぎで、すいません)、
18世紀にロシア帝国の庇護下にはいり、1917年ロシア革命→そのままソ連に巻き込まれます。
1994年、ソ連崩壊後にいち早く独立。
2003年、旧ソ連諸国の民主主義運動のさきがけとなる無血の「バラ革命」が起こります。
その主導者、ミハエル・サーカシュビリ氏が2004年、35歳で大統領になり、
ロシアの衛星国という立ち位置から脱却すべく、失業率や治安の改善、医療・教育等様々な改革を行い、現グルジアの礎を築きました。
外国人が楽しく安全に旅行できる渡航先となったのは、ここ10年くらいなのではないかと思います。
★旅の基本情報
日本からは直行便はなく、ロシア・トルコ・カタール経由になると思います。
時差は5時間。
ビザなしで1年間(!)滞在できる模様です。
【宿泊】
トビリシの1LDKアパート/Airbnb 2人で4000〜7,000/一泊
1泊2食付きの民宿: ひとり2000〜3000円くらい。
↑坂の上にあるアパートは2Fの窓からでこの景色。
↓民宿の夜ご飯。自家製ワインが飲み放題です!
【交通】
トビリシ市内のメトロ/バス 1回約25円 / 長距離バス 2時間で4〜500円(観光地はもう少し高い)
寝台列車 900〜1,500円(2〜4名コンパートメント)(https://biletebi.ge/ネット予約・決済可能)
タクシーはメーターがなくて交渉制で、面倒だな・・と思っていたら
配車アプリ Yandex Taxiが使えました。市内から空港まで20ラリ(約20km/1,000円程)
※Uberはなくて、ロシア系IT企業のYandexになります。
【ネット】
SIMカード 10GB(20GBだったかも) 1000円ほど。
空港で買えます。パスポート渡して3箇所くらいサインすると、VPN設定等無しで開通。
接続を確認してからお金を払いました。所要時間たった2分。
【外食】
カフェでカプチーノ 400円程
レストランでの食事が500〜1,000円
グラスワイン1杯(日本の2杯分) 2〜300円
すごく美味しいグルジアのパンはタンドール窯で焼くスタイルです。
〈首都トビリシとその近郊〉
★旧市街(温泉)
人口120万ほどの首都・トビリシは旧市街が温泉街になっています。
そもそも「トビリシ」という名前の語源が”暖かい”という意味で、”温泉”に由来しているとのこと。
この温泉街は9世紀〜13世紀ごろ一番栄えていたらしく、多いときには63ものお風呂屋さんがあったそう。
ドーム型のロイヤルバス。貸し切りonlyで2000円〜。
私達は、公衆浴場のQueen’s Bathに入ってみました。(ブログで調べた限りでは、女湯にも湯船がある唯一のお風呂屋さんがこことのことでした)
確かひとり、200円くらい。
脱衣室は、かなり古びた公営プールのよう。
浴場もけっこう年季はいっており、立って洗うスタイルです。
お目当ての湯船は、水風呂サイズ&立ってちょうど肩までの深さでした。
お客さんはほぼグルジア人で、相撲取り体型のおばさんばかり(苦笑)。
マッサージ係の女性がパンツ1丁で営業してきます。(この人は一日中パンツ1丁で仕事しているのかなw)
後日、現地の若い女子から聞いたところ、温泉は健康施設という感じで、一回しかいったことない、とのこと。
日本人が利用する感覚とは違うようです。
こちらはモスク風?の新しいお風呂屋さん。中もお洒落なのでしょうか・・・
温泉街を流れる硫黄の匂いがする川を上っていくと、つきあたりに滝があります。
首都・旧市街に滝があるとは珍しいですね。
この上が植物園になっています。
予約したアパートが植物園から徒歩数分、ということで、新宿御苑的なイメージをいただいていたのですが、 トビリシには平地がほとんどなく広大な植物園は急斜面に広がっておりました。
日本庭園発見! 昨年できたばかりのよう。(2017年9月OPEN)
さらに植物園を登っていくとまたもや滝。そして大仏!
ではなく、右手にワイン、左手に剣をもった『グルジアの母』がシティを見下していました。
丘の上までは、街中からロープウェイが出ていて (12時まで営業) 夜景を見に、 また夜に来よう♫と思ってましたが、時差で早々と寝落ちしてしまいました・・・。
同じく丘の上、4~5世紀に砦として使われていたナリカラ要塞からの眺め。
断崖絶壁のリバーサイドマンションは、日本人の感覚としてはちょっと怖いですが、グルジアっぽい風景のひとつです。
都心に目を向けると、サーカシュビリ大統領(当時)が、ソ連時代から”汚職大国”と呼ばれていたグルジアを、
一新するということで建てた奇抜な近代建築が新しいランドマークとなってます。
左奥のマッシュルーム建築は、行政手続きをワンストップでできるように集めた市庁舎・House of Justice
右横のメタリックなチューブのような建物はコンサートホール
こちらは平和橋
And more (建築に興味ある人はこちらからどうぞー)
https://mygeotrip.com/top-10-unique-modern-buildings-in-georgia/
※↑クタイシのドーム型国会議事堂は、日本人建築家 川口衞、川口健一氏設計のようですねー。
丘の上びえる豪邸、グルジア一のお金持ち”ビジナ・イヴァニシヴィリ氏”(現与党「グルジアの夢」という政党を立ち上げた実業家)のレジデンスも 日本人建築家(高松伸氏)の設計だったりします。 (Wikipediaより)
★ムツヘタの歴史的建造物群(世界遺産)
先に近代建築にいってしまいましたが、グルジアのシンボルは丘の上に建つ教会です。
周辺の帝国/民族からの度重なる侵略で、現存する王宮や城はなく、古くから残っているもの=教会なのです。
コースケくんから紹介してもらったグルジア人女子、エレンが車でトビリシ郊外の世界遺産スポット、ムツヘタへと連れて行ってくれました。
お父さんがロシア系、ということで彼女はグルジア語の他、ロシア語・英語・ウクライナ語を話すそう。 わおー!マルチリンガル。
グルジア人はソビエト時代に教育を受けた世代は第二外国語としてロシア語を話します(英語が全く通じないことも多いです)が、2003年以降に教育を受けた若い世代はそこそこ英語を話します。
帰りにレストランで、グルジア料理を色々と注文してくれました。
こちらはグルジアの水餃子、ヒンカリ(パクチーが効いていて美味!)。
国民的料理なようで、お土産ものグッズとしてよく見かけました。
チャチャ(ぶどうの蒸留酒)の入ったボトルにも。
スターリンと並ぶくらい、グルジア名物として存在感があるもののようです(笑)
すんごい長くなったので、山方面の旅は次の記事にします。
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